36話の直後妄想捏造



「バカな事聞くんじゃねえ。迎えに来たに決まってんだろ!」
 そう言い放つとベルカはリンナの手を取り、その腕を自分の首に回した。
「脱出するぞ!」
「そ、その、殿下。私は……自分で歩けます」
 もう周囲を欺く必要はない。慌てた様子で言い募ったリンナに、笑みを向けた。
「いいからつかまってろって。[マリーベル]に抱き付けるチャンスなんてもうねーかもしれねーぞ! 手持ち無沙汰だって言うならこれでも持ってろ」
 差し出されたのは、先ほどリンナのいましめを解くのにも使った小剣。頷きそれを受け取った。
「──はい!」
 そのとき不意に上から投げ込まれたのは、いつか立太子式の折、ホクレアが襲撃をかける際に使用していたものに近い、足をかけるだけの場所がかろうじてあるだけの縄──最大限良く言えば、一人乗りのリフトだ。
「脱出するぞ!」
 そこに足をかけ、しっかりと縄を掴む。
 リンナも、[マリーベル]を抱き込むような体勢でそれに捕まった。
 口笛を吹くと、一気に引き上げられる。突き出される槍の穂先を、先ほど受け取った小剣で捌く。2撃、3撃とそれをいなす。そこに飛んできたのは弩の矢だった。
「ッ……!」
 カン、と音を立て辛うじて弾きとばしたものの、連続して射られればさすがに防ぎようもない。
 そのとき、下から怒声が響いた。
「落ち着け! 尼僧の方はベルカ王子だ、傷つけるな! 縄を狙え!」
 その声に、見上げる衛士たちのなかにざわめきが広がった。
「──って、気づいてなかったのかよ!」
「……大変愛らしいお姿でいらっしゃいますので、無理もありません……」
 そう呟いたリンナの目は、どこか遠くを見ているようだった。
 射落とされる危機は脱したものの、依然ピンチなのには変わらない。構えられた弩で、ふたりのさらに上の方を狙われる。
 ちっ、と舌を打った。
「揺らすぞ! 堪えてくれ!」
 上にそう叫ぶと、先ほどまでリンナが縛り付けられていた柱を思い切り蹴った。
 ふたりが乗ったリフトが振り子のように揺れ、縄がぎり、と音を立てる。放たれた弩の矢が数本、石柱に弾かれて落ちた。





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あとがき的なアレ

Op.36が神回すぎて…
リンナが手負いの鷹と思ったら能ある鷹ででも結局性的すぎて…
あれは完全に輪姦シーンすぎる…
マリーベルさんの再出演とその演技っぷりとあああ…

そんな感じでこの後どうやって脱出するのかなーとか妄想して受信した電波がこちらになります。